人工知能(AI)で自動売買するには?

外国為替(FX)は、株式と違って、ほぼ24時間マーケットで取引することができます。

日本時間の朝6時ごろにニュージーランドから始まり、8時ごろからは東京、夕方4時にはヨーロッパ、夜の10時からはニューヨークのトレーダーが参加してくる、という具合です。

とは言っても、生身の人間にとって、実質トレードできるのは1日に数時間が限度。
食べたり寝たりしなければいけませんから、どうしてもトレードの機会損失が出てきてしまいます。

そういうわけで注目されているのが自動売買。
最近は「人工知能(Artificial Intelligence、AI)」の普及とも相まって、「人工知能トレードロボット」に注目が集まっています。

「人工知能 株式」といったワードで検索してみると、ニュース記事がたくさん表示されますね。
「○○ファンドが人工知能を採用」とか「AIファンドが市場を席巻!」とか。

ここ数年の大きなトレンドと言えそうです。

ちなみに、抽象的な「人工知能」というワードではなく、もっと具体的な、AI技術のひとつである「ディープラーニング」とか「ニューラルネットワーク」で検索すると、個人の“より実践的な”ブログ記事が表示されます。

人工知能技術をひと通り学んだ技術者が一番に考えることは、やはりその技術をマーケットでマネタイズしたい、ということでしょう。

人間にとっても難しいことは?

とは言っても、株価や為替相場の「上げ下げ」を高確率で当てることは、そう簡単ではないことがこれらブログから読み取れます。

そこで疑問に思うのは、人間にとってさえ予測が難しい「上げ下げ」を、まだまだ未発達の人工知能ができるのか?ということです。

現段階で人工知能が活躍しているのは、自動車の運転や囲碁や将棋、音声や画像の認識など、人間にとっては“それほど難しくない”分野です。

もちろん、将棋や囲碁のトップレベルの対局者と互角に戦うなら、人口知能にもそれ相応のレベルが必要でしょうが、相手が2級、3級レベルなら勝つこともそれほど難しくはないでしょう。

当面のアプローチ

そこで、実用的な人工知能トレードロボットを作るためには、人間にとって難しい「上げ下げ」を直接考えさせることは、少なくとも今の段階では横に置いておくのがよさそうです。

将来、人工知能がより賢くなったら考えさせよう、ということです。

では何を人工知能に考えさせるのか、というと、「上げ下げ」を示唆する指標、です。

それは、レジスタンス・サポートラインであったり、出来高の急増具合であったり。

そのような指標を認識するのであれば、人間にとってはいたって簡単ですから、今の人工知能技術であっても十分に実用に堪えるのでは、と考えています。